泥千葉

砂浜ピッツァ

ワイド撮影環境構築のヒント

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こんにちは。旋転技術研究所 旋転マネージャーの泥牛です。フルHD撮影環境の攻略をします。

 

 

 

0.はじめに

 

高画質での環境づくりは、多くのスピナーがキレているところだと思われます。 

「ペン回しは純粋なペン回し力(りき)で競われるべきであって、環境が評価基準に入るのはおかしやろがぃ」 

 「ペン回しにこそ関心があり、撮影技術とか知らんすぎ」

「結局、金ンゴね...」

となるのも無理からぬ話です。だって俺らが好きなのはペン回しで、録画ではないから。撮影はカス。

 

しかしながら、ペン回し文化はペン回し動画をベースに発展してきました。今もなお、ペン回し活動の多くは動画を通じて行われています。そして、動画内の背景を拘らなかったことにより生じる様々な不都合が、動画自体の評価を下げてしまうことがあるのも事実です。

 

本記事は、そのようなペン回しと関係のない要素で理不尽な減点をくらいたくないぜという方を対象に、高画質環境制作のお手伝いをするべく執筆されました。

この記事の主目的は高画質環境制作のヒントを提供することです。環境の重要性を説いたり高画質環境を礼賛するつもりは無いのでそこだけご留意ください。

 

また、執筆者は撮影のプロではないので、誤りを含む可能性が十分ございます。基本的には、改めて皆さん自身がその項目を考えるきっかけになればょ...というスタンスなので怒らないでください。話せば分かる

 

※この記事では、高画質(HD~FullHD, 16:9, 30fps)での環境づくりを前提としています。

※高画質CV, あるいは大会のいずれかに提出することを念頭に置いています。ツイッターにあげる動画などは当然好きなペンを好きな場所で回せばよいと思います。

 

1.  環境を知ろう

 

1.1 到達目標の確認

環境はざっくり分けて4レベルあると思います。

❶神環境

  • 環境単体で加点される。
  • 映像として美しい仕上がり。
  • ペン回しが引き立つ。

❷視聴するうえで特に問題のない環境(≒大丈夫な環境)

  • 減点はされない。
  • とても良いわけではないが、悪くはないし問題もない。
  • ペンが回る気持ちよさが損なわれていない。

❸あまり良くない環境

  • 減点される。
  • ペン回し動画の快適な視聴を妨げる余計な要素(≒ノイズ)がある
  • ペン回しが見づらい(暗い・遠い・ペンが見えない等)

 ❹おしまいの環境

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  • こういうやつ

 

❶は達成条件が明確ではありませんが、❷は減点要素を解消していけば到達できます。とりあえず、どのような減点の可能性がありえるかなどを知り、それらを潰しながら❷の環境を完成させることを目指してみることにしましょう。

 

最初からfukrouさんのような美しい環境を手に入れようとして軽率に動くと減点要素の赤外線センサーに引っかかって爆発します。まずはどこに地雷が埋まっていがちなのかを理解するところからはじめましょう。

 

1.2 環境の基本

 

 環境を構成する要素のなかで、特に重要度が高いものを解説します。

基本はfukrouさんが全部仰っています。ぜひ見てください。ポイントを絞って分かりやすく解説されているのでオススメです。基本項目では上の動画に補足するかたちで背景&ペン・アングル・照明の順に解説します。

 

【背景とペンの相性】

一番大事です。背景とペンで明度差をつけましょう。

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これだと見えません。

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グレーなど、明るくも暗くもない色は明度差をつけるのがやや難しくなります。上の例ならアリかもしれませんが、

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暗くすると背景と明度差が小さくなってしまい映えません。やはり前より後の真っ白なペンの方が明度差によって残像が綺麗に出ています。
単純に背景とペンの色で決めるのではなく、光源を含めた自分の環境で綺麗な残像が出ているかをチェックしましょう。

 

 

【アングル】

いくつかアングル別の良い環境の人の動画を紹介します。だいたい王道アングルは以下の3通りです。

①手前

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VPやG3の人に多い。チャージの軌道が真円になるためソニック系が映えやすい気がします。

 

②掌側の奥

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割と奇抜系の人に多い。俺もこれです。起ソニック系があまり映えなくなる印象です。ソニック主体の人には向かなそう。逆にアラウンドとかシャドウが映える気がします。気がするだけかも。

③真横

youtu.be

23秒~, 48秒~も真横

難しいアングルです。机で真横アングルやるなら幅は最低80cmくらいあった方がよさそうです。机の幅が足りないと、左右の余分スペースがかなり広くなってしまい、体や物・壁・カーテンなど余計なものが写りやすくなります。床もガッツリ映ります。黒布で全部隠すか、オシャレでかハウスに住むかの二択。パス・ラダーなどの軌道が綺麗な円を描きます。

 

とりあえず上記3点がメジャーです。最初は上記3パターンから選んで作ってみましょう。真横よりの手前/奥も全然OKです。

その際、カメラは地面に対しある程度並行に配置しましょう。そこを傾けすぎると、

www.youtube.com

かなり凄いことになります。

とはいえ、自分はほんの少しだけなら傾けてもOK派です。自分の動画はほぼ全て甲側に少しだけカメラが傾いてます。少し傾けると迫力が出たり、映したい所が写せたりして便利だったりします。

 

あと、基本的にキャプチャソフトのズームは引き伸ばしてるだけなので使わない方が画質が綺麗です。

 

カメラの高さによって印象も変わります。カメラが高めにあると落ち着いた印象で、技がよく見え、分かりやすいです。遠くなったり、迫力が抑えめになったりすることもあります。

カメラが低めにあると、迫力が出ますが、何やってるか分かりづらく、クソアングルになったりします。おそらく、気持ち高めにした方がいいです。逆に、何やってるか分からん動画を撮りたいときは、

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自分が組んだオーダーに使われている技の傾向や、その中で見せたい技・コンボが映えるアングルに設定することが大事です。例外はありますが、見せたいコンボの軌道が一番大きく見えるアングルが良い傾向にあります。あとは手の形がマシに見えるアングルも一緒に探すと良いと思います。

 

 【照明の種類】

直接光と間接光という二つの光があります。

直接光は光源から直接届く光です。

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それに対し、間接光は壁や紙などに反射し、拡散したボヤっとした光のことです。

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こういうやつです。間接照明ですね。電球の周りの覆いで反射し、ボヤっとした光が出ています。

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チップがキラキラしてる方が直接光、なんか暗いのが間接光環境です。
直接光はあまりオススメしません。理由は、

  • 手・指・ペンの影がかなりシャープにおちるため、気が散る
  • かなり強く反射するので、チップとかが光りすぎてうるさがち
  • 明るいところと暗いところでかなり差が出るため、輪郭を追いづらい

などです。fukrouさんが紹介されている電球のような直接光でも、

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回す位置から光源までかなり距離がある場合は影もぼんやりしてくるので多分良い感じになりそう。あとデュフュージングトレーシングペーパーを使うと良い感じの光になるようです。(後述)

スマホのライトなどをサブライトとして使う場合も、紙とかで覆うと拡散して良い感じの光になったりします。

また、窓から入る太陽光は直接光ではあるのですが、散乱する光も多く、良い感じにぼんやりした光になってるので光源としてはかなりアリです。

 

 

【光源の位置】

 諸説ありますが、照明はそこそこ高い位置に置くのが一般的です。高さにより印象が変化します。

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左が低、右が高い位置に照明を置いた例です。照明が高い位置にあると手がまんべんなく照らされています。低いとやや影がシャープに出ます。そして、手と照明の距離によってもかなり変わります。

 

そのうえで、置く場所は大きく分けて「掌側」「手の甲側」「真上」の3種類あります。照明の置き方には法則などはありません。好みも大きいです。

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手の甲側がメインライトの人の方が多いです。光源は甲側に置くと指が綺麗に見える感じがします。梟さんのは光の当たり加減が丁度よくて神

youtu.be

掌側から光を当てると割と見える手の領域全体が明るくなるので、見やすくなります。一方で、手が盛れないなどの意見もあるそうです。ホンマか?

 

照明の置き方に決まりは有りませんが、

・掌/甲のいずれかが極端に暗い

・全体的に暗い

だけ避けると無難です。次の章で紹介しているちっさいレフ板などを使うのもアリです。

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机の色が暗かったり(机は明るい色でも光があまり当たらず暗くなってたり)すると、掌と机が同化してしまいかなり見づらくなってしまうので注意しましょう。この例だと光源をもう少し高い位置にしたり、掌側から弱めの光を当ててあげると良いかもしれません。机の色が真っ白でちゃんと明るい場合は手の一部が暗くてもちゃんと見えるので大丈夫な場合が多いです。

とりあえず、以上が環境のコアとなる部分です。

 

1.3 地雷を撤去しよう

ここからは動画の評価を下げうる要素の対策的なものが多いです。

【画質】

ペン回し的に良い画質なのはC920かiphoneという風潮になってそうです。androidは...どうなんだ?なんかパラパラします。誰かアンドロイド撮影を救ってくれ

(9/8追記) フィルミックプロのすごさがandroidを貫通したらしい。

 すごい。俺も買います。

 

iphoneの人はシャッタースピードをいじれるアプリを使うと良いかもしれません

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1/30が良い感じですね。

アプリではフィルミックプロが良いらしい。でも高いのでヤメラとかでもいいと思う。Noelさんはヤメラらしい。

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logicoolC920では露出ゲイン明るさコントラストはいじらなくていいと思います。露出はむしろいじると大崩壊します。彩度はほんの少し低めでも良いかも。自分は照明の色が濃いので低めです。低すぎると灰になります。ホワイトバランス極振りはやめましょう。

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こういう画質は高画質の台頭とともに滅びました。

とりあえず、他の人と比べて自分の動画の画質(ペンの残像など)が変でないかを確かめましょう。人に見てもらうのもよいと思います。

 

 【不要なコントラストを避ける】

 コントラストとは、赤と緑など、異なる2つの色の差が際立っているさまのことです。

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赤と緑の境界線が際立っていますね。ヒトはこのコントラストの境界線に注目します。

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この例だとスペシャルの1巻2巻にも視線が向いてしまいます。特に注目してほしい箇所でない場所に強いコントラストがあると、そちらに視線が誘導されてしまい結果的に気が散ってしまいます。

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また、コントラストの境界線上で回すとかなり見づらくなります。とりあえず避けるのが賢明です。

 

同じ考えで、背景にシーツなどの布を選択する場合は、シワシワな背景にならないように注意しましょう。けっこう見づらくなります。

 

 

 【服】

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Wabiさんも自身の動画で触れていますが、派手な服はペン回しを視聴するうえでノイズになるので無難な服を着ましょう。黒がオススメです。

また、たぶん肘と二の腕の素肌は映らない方がいいです。わんぱく感が出ます。夏なら七分丈などを着るとよいと思います。

 

 【ペン】

好きなペンを回せ!な風潮のなか恐縮ですが、ペンのデザイン自体もかなり印象を左右します。見た目がいいペンを回しましょう。一般的なデザインから逸脱すればするほど"ペン回し"のカテゴリから遠ざかり、支持されにくくなります。

また、先述の通りグレーや緑・橙・紫などの明るいのか暗いのか分からない色がメインカラーのペンも高画質だとやや難しいです。チョイスとしてないわけではありませんが、白や黒などと比べると地味な印象になりやすいです。高画質で色軸ペンはあまり見かけませんが、そういう都合もあるかもしれません。

 

【小物】

スティックのり、ティッシュ、ビール瓶など、あんま写って嬉しくないものは片付けましょう。

 

【爪】

極端に長いと懲役3年になったりするので切りましょう。

 

 

 

とりあえず環境について考えるべきことを思いつく限り全て書き殴りました。 お疲れさまです!!!!!

【ペンと背景の相性・照明・アングル】だけ適度にこだわって、【画質・爪・小物・ペン】が常識を逸脱するほどヤバくなければ❷の環境が生まれると思います。

 

結局環境は自分でいろいろ試してみるほかないのですが、その際には上で書いたことを考える材料に使っていただければ幸いです。環境は一度良いやつを作ればあとは一生それを擦るだけで評価され続けるので頑張ってください!

 

 2.環境をつくろう

 この章では、机などの背景要素の検討と、お役立ち道具の紹介をします。結局便利な道具の存在を知ることで一瞬で悩みが消えることもあり。とりあえず無限に知っているものを共有します。

 

【机】

ペンとの相性を考えると、たぶん明るめか暗めに寄ってた方がいいです。 明るめなら白/ベージュ/ライトグレーなど?暗めなら黒かこげ茶(ウォルナット系)?

 

【天板】

机無理や泣の人は板だけ買うものありかもしれません。 

こういうやつ。ホームセンター等で実際に見て選んだ方がよさそう。

 神環境の人も言ってました。

 

【リメイクシート】

机などの板の模様を変えられるでかシールがあります。 泥もリメシです。

 

こういうやつ

 自分は小さいカラーボードを並べて上からリメシ貼って板を作ったのですが、カラボの境目が微微妙に突起になったりしてダサいのでオススメしません。机に直貼りすると剥がした時ベタベタになる。どうしたらいいんだ!クッソでかいカラーボードが手に入れば一番いいかもしれませんね。

100均のセリアにもギリ使えそうなものが売ってます。

100均セリアのリメイクシートがおしゃれ。サイズや種類(木目・レンガ・タイル)

木目調ivoryってやつがギリ使えそう。itezaさんが一瞬使ってた気がする。

 

【三脚】

たぶんあると便利です。C920は三脚で固定できます。某氏は三脚にスマホを輪ゴムでギチギチに固定してるらしいです。俺は秋葉原で怪しげな老婆から800円で買いました。

 

【カメラアーム】

三脚のアンチはアームでもよいかも。

 

自在に角度がつけれます。

kayさんが紹介してた強いやつ。

 【照明】

分かりません。みんな何使ってるんですか?

【レフ板】

 

手の甲がクッソ暗くなってしまった!などの場合に手の甲を微妙に明るくするときなどに使えます。

 

ディフュージョントレーシングペーパー】

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デスクライトとかで光がキンキンすぎるときに使うと良い感じの拡散した光になるやつです。

【クソでかい黒布】

もういっそ全部黒布で覆ってしまえば解決することも多いです。俺も毎回壁を黒布で全部覆ってます。暗幕がよさそう。

 

 

 【スマホでキャプチャ画面を見たい勢と有用なリンク(9/8追記)】

【LonelyScreen】iPhoneの画面をPCにミラーリングする方法

【8月14日:更新】「デジタル一眼でもフリースタイルは撮れる!」 - 『Pen Spinning Memorandum』公式ブログ

↑すげ~

igunitecolumn.blogspot.com

↑分かりやすくてすげ~

 

【キャプチャソフト】

 物じゃないんですけど動画撮るソフトはOBS Studioがオススメです。あんま劣化ないしamcapとかよりオプションが多い。動作も軽い。俺のamcapは死んだ

 

エンコーダー

Aviutlの人はx264を使うとかなり高画質でエンコードできます。

【AviUtl】x264guiExの導入方法と使い方(2/3)【MP4出力】 | AviUtlの易しい使い方

また、更に高画質なのが可逆圧縮といって、なんか全然劣化しないままサイズが小さくなるヤバいやつがあります。

Lagarith Lossless Video Codecのインストール方法と使い方【設定】 | AviUtlの易しい使い方

ジャペンとかDatFとか、ここぞ!という動画は可逆圧縮が綺麗でいいかもしれません。

 

 

3.まとめ

我々は、闘わねばならぬ

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その先に光があると信じて―――